読み聞かせサポートプログラム

【アクセント入門】中嶋順子

読み聞かせや朗読に大切な「日本語のアクセント」を フリーアナウンサー中嶋順子が細かく解説。

【アクセント入門】解説

言葉をはっきり伝えるためには、発音とともに「正しいアクセント」が大切です。
公の場で表現する時には「共通語」のアクセントが求められます。
アクセントには、音の強弱、長短、高低がありますが、日本語の場合、高低アクセントが中心です。
アクセントには4つのパターンがあります!
①平板型(へいばんがた) 音が同じ高さのまま、高低のない語
タイコ(太鼓)・シンリョク(新緑)
②頭高型(あたまだかがた) 第一音節が高く、その後に音が下がる語
バジュツ(馬術)・ダイジン(大臣)
③尾高型(おだかがた) 最後の音節までは高く、最後に音が下がる語
コトバ(言葉)・オトート(弟)
④中高型(なかだかがた) 語中のある音節の後に音が下がる語
タマゴ(玉子)・ヤマノボリ(山登り)・チカラマカセ(力任せ)
アクセントのトレーニング
 ① 足袋・旅 ②都市・年 ③二時・虹 ④橋・箸 ⑤朝・麻 ⑥医師・石 ⑦席・咳
●イントネーション
話し手の感情や会話の状況によって、言葉や文章の一部分が音階的に上下することをイントネーション(抑揚)と言います。
同じ言葉でも意味を変えて表現する時や言葉の裏側にある感情を伝えたい時に役立ちます。
普段の会話でも、相手との関係や感情の変化に応じて、無意識にイントネーションを変えているものです。
イントネーションは、言葉の終わりの上下の抑揚で、違った気持ちを表現することができます。
①言葉のおわりを上げる場合→「昇調」
食べる?行く?→「疑問」 パパ・あなた→「呼びかけ」
②言葉のおわりを下げる場合→「降調」
はい・よろしい→「肯定」 書け!やめろ!→「命令」
イントネーションによる感情表現
①「車」
くるま?→「車?」(疑問)
くるま。→「車ですよ」(肯定)
くるま!→「車だよ、危ない!」(危険)
②「見えます」
見えます?→「見えますか?」(疑問)
見えます。→「見えますよ」(断定)
見えます??→「本当に見えるんですか?」(念押し)
●練習問題 イントネーションを変化させて、状況を表現してみましょう!
「そう」
①あっさりと(相手の話に関心がなく、聞き流しながら)
②不安そうに(「あなたなら絶対大丈夫!!」と励まされたものの自信がなくて)
③イライラして(同じことを何度もしつこく聞かれて)
④ガッカリして(楽しみにしていた旅行が中止になったと聞いて)
「なに」
①嬉しそうに(もらったばかりのプレゼントを開けながら)
②不機嫌そうに(面倒なことを頼まれそうになって)
③驚いて(突然大きな物音を聞いて)
④ケンカごしに(聞き捨てならない暴言を吐かれて)
●プロミネンス
文中にある言葉や文節を強調することを「プロミネンス」といいます。
これは、特に重要な部分や相手に知ってほしい部分を、よりわかりやすく伝える方法のひとつです。音の強弱やスピードの変化によって表現します。使い方によっては話し手の感情までも伝えることができます。しかし、単に声を大きくすればいいものではなく、むやみに強調する部分を増やすと逆効果になってしまいます。どの部分を強調したいのかをよく考えましょう
声を大きくする以外の強調する方法。
例文「私、中嶋順子です」
①前後の言葉を弱くする。
②前後に間をとる。
③その言葉を太く、はっきりと発する。
④その言葉を長くする。
⑤顔の表情や顔の方向を変えて話す。
●アーティキュレーション
音の切り方や次の音との続け方のことで、「歯切れ」や「滑舌」といわれるものです。
アーティキュレーションが悪いと、ひとつひとつの音がはっきり発音されません。
しかし、発音上の癖や苦手な言葉は誰にでもあるもので、時間をかけて訓練していけば改善されていきます。早口言葉などでトレーニングを積み、舌の動きを滑らかに、言葉を明瞭に発音できるようにしましょう。
●練習問題
①青菜っぱ 赤菜っぱ 赤菜っぱ 青菜っぱ
②今日京から狂言師が来て、今日狂言して京の故郷(こきょう)に帰った
③書写山の社僧正(しょしゃざん の しゃそうじょう)
④メカトロニクスとは、メカニズムとエレクトロニクスを合わせた和製英語です。

 

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