作:新美南吉
絵:篠崎三郎
出版社:小峰書店
出版年:1965年
ISBN: 9784338200066
牛をつないだ椿の木・うた時計・最後の鼓弓ひき・おじいさんのランプ、四つの流れから成り立っています。
一つめは、人の良い人力車引きの海蔵さんが、みんながのどを潤すためにお金を貯めて井戸を掘った話。
ところが、日露戦争で海蔵さんは帰らぬ人となりました。
最後の鼓弓ひきは涙の出るような話です。
木之助さんの鼓弓への愛情、熱心に鼓弓を学び人々に美しい音色を届けていたこと。
年取っても最後まで鼓弓を愛したこと。
でも、ラストがかわいそうで、こんなに鼓弓を愛していたのに、古物屋に30銭で売ってしまうのです。
気がついて取り戻そうとした時、60銭と言われて、かわいそうに思えました。
おじいさんのランプは、ランプが大好きな巳之助さんが文明開化でランプから電気にかわり、ランプをいっぱいつるして喜んでいる姿に共感できます。
原田眞理子
明治時代のお話で、人間の生き方を学べます。
人は現代に生きていても誠実に生きていくことが大事だと思えました。
辻 成美
「おじいさんのランプ」で、村から街へやってきた巳之助が、硝子のランプが灯っている街並みを見て感動するシーンが好きですね。